12ヶ月のカイ

2020年/日本語/日本/83分

解説

「変化を、恐れるな」
人間とヒューマノイドが生み出した、”在るはずのないモノ”をめぐる恋愛SFサスペンス

あらすじ

今から少し先のおはなし。キョウカは、日常生活を共に送れるヒューマノイド「パーソナル・ケア・ヒューマノイド(通称:PCH)」のカイを手に入れる。会話を重ね、持ち主について徐々に学習していくカイ。キョウカはやがて、カイに「物として以上の感情」を持ち始める。ある月、キョウカとカイは、人間とヒューマノイドの間に命を生みだしてしまう。友人たち、母親、別のPCHオーナーのシンとの対話の中で、キョウカはひとりの人間の女性として、現実と本能の間で揺れ動きながらも、未来を決めてゆく。

映画祭参加経歴/表彰

AWARDPhoenix Film Festival・International Horror & Sci-Fi Film Festival 2021(SFコンペ部門最高賞受賞)
the 13th Lady Filmmakers Festival
田辺・弁慶映画祭セレクション2021<亀山監督DAY>

監督


亀山睦実
1989年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。ノアド株式会社にてディレクターとして勤務。映画の監督・脚本や、CM・TV・MV・2.5次元舞台のマッピング映像演出など、様々な映像作品の企画・演出を担当。主な映画・ドラマ作品は『ゆきおんなの夏』『追いかけてキス』『マイライフ、ママライフ』『12ヶ月のカイ』『ソムニウム』等。

スタッフ&キャスト

監督/プロデューサー/脚本 亀山睦実
出演 中垣内彩加、工藤孝生、岡田深、夏目志乃、今井蘭、小河原義経、大石菊華、木口健太、山本真由美
スタッフ 亀山睦実、島大和(撮影)
田中秀樹、内田達也、中川究矢(録音)
今村左悶(音楽)
松野泉(音響効果)
AI TERADA(写真)
古口精樹(ヘアメイク)

上映スケジュール 9/16-9/20

プログラミング・ディレクター塩田時敏コメント

男性型パーソナル・ケア・ヒューマノイド(PCH)、名前はカイ。アンドロイドやラブドールとの恋のSF映画は少なくないが、有り得ないドラマに優れたリアリティーをもたらすパワーは金子修介監督に匹敵。かつ、是枝作品を軽く凌駕し妊娠問題にまで突入するのは女性監督ならでは?!いや、変化を恐れ、変化を嫌う社会にまで突き刺さるところが、この女流監督の真の魅力だろう。

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

子供の頃に『ハリー・ポッター』や『踊る大捜査線』のメイキングムービーを見て、大人たちが楽しそうに映画を作っているこの業界に行きたいと思った。初めて短編作品を作ったのは高校1年生の時。

2.影響を受けた作品や監督は?

宮崎駿監督作品(特に『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『風立ちぬ』)
深作欣二監督『バトル・ロワイアル』
コーエン兄弟作品
伊丹十三監督作品

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

もともと本作の原案となるオリジナルの短編企画(AIガジェットを持っている女性主人公の物語)があり、それを長編映画として、メインキャストと話し合いながら結末を決めていくやり方で撮ってみたいと思い、制作しました。演技・演出・世界観で参考にした作品は、ドラマの『ウエスト・ワールド』、映画の『ONE DAY』、本の『ホモ・デウス』。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

撮るべき物語は明確に見えていたのですが、撮影が全て終了した時、これをどう編集したら良いかが一瞬分からなくなった。ヒューマンドラマなのか?SFなのか?恋愛なのか?それを、音楽の今村さんと長澤くんと長い間話し合いながら考えていき、最終的には、ぼんやりとトンネルの出口が見えたような気がしています。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

前述の通り、そもそもこの作品が「どんなジャンルの作品か」が自分でも明確に分かっていなかったので、「どんなお客様に届く作品なのか」を、色々な映画祭へ応募することで探っていきたい、という思いがありました。自分ではヒューマンドラマだと思っていたのですが、国内外の映画祭からの反響を見るに、どうやらこれはSF作品のようです。自分でもどう扱ったら良いか分からなかった本作に、道筋を示してくれたこと、皆さんに感謝申し上げます。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

本作には確かに、ヒューマノイドというSF的なキャラクターが出てきますが、主軸で描かれているのは「人間が何を選ぶか」という物語です。選ぶ側が女性であった場合、果たしてテクノロジーと人類の間にどのようなことが起こりうるのか…。前頭葉が痛くなる作品だと思いますが、ぜひ楽しんでいただけますと幸いです。