ベースメント 全地下の家族

The Basement

2020年/韓国語/韓国/94分/アジアプレミア

解説

2020年、コロナ禍で撮影した。核攻撃、あるいはコロナのようなパンデミックによって外部から完全に孤立した状況の中で、中産階級の家族がいかに行動するのかについてのメタファーを表現しようとした作品。

あらすじ

「韓国のシリコンバレー」と呼ばれる板橋地区の近くに核爆弾が落ちた。板橋でベンチャー企業を経営するドンベクと彼の家族は、政府の指針に従って自宅の地下室で2週間の避難生活を送ることを決める。家族は地下室で日々孤軍奮闘し、生存闘争を始める。

映画祭参加経歴/表彰

第43回モスクワ国際映画祭Lockdown部門上映
第12回シネファンタジー国際ファンタスティック映画祭コンペ部門招待
2021年LA Sci-Fi映画祭 エウロパゴールドアワード 作品賞
2021年モントリオールインディペンデント映画祭 サマーシーズン公式セレクション

監督


チェ・ヤンヒョン
ソウル生まれ。大学で映画演出と韓国文学、大学院で映像工学を専攻。演出した短編映画が国内外のさまざまな映画祭に招待され、一部は受賞した。現在、映画制作会社「パランオイ・フューチャーシネマラボ」を運営している。「ベースメント 全地下の家族」は初の長編作品。

スタッフ&キャスト

監督 チェ・ヤンヒョン
プロデューサー イ・ジウン、ソ・ユンジュ、ソ・ヨンソク
脚本 イ・ジウン、ホン・ジュンソン、チェ・ヤンヒョン
出演 イ・チョリ、クァク・ソンウン、パク・ソヨン
スタッフ シン・ヒョンチョル(撮影)
チョン・ビョンユン(照明)
イ・ヨンジョン(編集)
キム・ドクスン(美術)
ペク・インソン(音楽)
ピョ・ヨンス(サウンド)

上映スケジュール 9/16-9/20

プログラミング・ディレクター塩田時敏コメント

“半地下”だけではない、韓国の中流家庭には全地下=核シェルターもあるのだ。そう韓国はまだ終戦してない、停戦下にあるのである。この韓国独自のシチュエーションによるSFチックなホームドラマ。のみならず、終盤は新型コロナ罹患者の自宅療養にも見えなくないのは、ワールドワイドに不安な時代ならではか。この家族が、そして我々が自由に外出できる、明日はどっちだ?!

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

高校生の時、読書や音楽鑑賞が好きでした。また絵や公演を見ることも楽しんでいました。好きなものを全部できる分野が総合芸術である映画だと考え、大学で映画の演出を専攻しました。

2.影響を受けた作品や監督は?

今回の映画は、外部と遮断された空間、または密室の中で繰り広げられる心理ドラマ、スリラー映画からインスピレーションを得ました。具体的には、アルフレッド・ヒッチコック監督の作品、ロマン・ポランスキー監督の「水の中のナイフ」「死と処女」、ブリ―・ラーソンにアカデミー主演女優賞をもたらしたレニー・アブラハムソン監督の「ルーム」などを参考にしました。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

日本も同じでしょうが、韓国も核の脅威の中で生きる国です。核の脅威の原因は北朝鮮かもしれませんし、原子力発電所かもしれません。「ベースメント 全地下の家族」では、核爆弾による攻撃が現実のものとなったときに中産階級の家族がどのように行動するのかを描こうとしました。そして間接的には密集、密接、密閉が禁じられた新型コロナ時代を象徴的に表現しようとしました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

「ベースメント 全地下の家族」は低予算のインディペンデント映画です。映画の創作はつらいものですが、特にインディペンデント映画はお金と時間との熾烈な闘いを繰り広げなくてはなりません。この映画の場合は、スタジオを借りて、その中にセットを組むことが非常に難しい問題でした。監督の妻でもあるプロデューサーのイ・ジウン教授の尽力で、大学の中にセットを組み、撮影を無事に終えることができました。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭は大学生の頃からその名声を聞いていた映画祭です。私は日本旅行が好きで、北海道にも行きました。当時から自分の作品を出品してゆうばり映画祭を訪れてみたいと思っていました。北海道の美しい風景とともに私の映画が上映されるのを見られず残念ではありますが、このような時に一生懸命準備してくださった映画祭関係者の皆さんに感謝の意を申し上げます。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

映画祭で私の作品を見に来てくださった観客の皆さんに心から感謝いたします。この映画は、核攻撃のあと2週間家の中に身を隠す家族の物語です。核爆弾に関する韓国政府のマニュアルによると、2週間後には放射能の濃度が急激に下がるため、密閉空間で2週間を耐えることが重要だそうです。映画の中の空間と状況に寄り添って楽しんでください。