ボーダレス アイランド

Borderless Island

2021年/日本語・中国語/日本・台湾/105分/ワールドプレミア

解説

あの世とこの世をつなぐ三日間。現代に生きる沖縄と台湾の若者たちが、祖先の霊や死後の世界に対するそれぞれの文化の違いや共通する感覚を通して、日常に潜むスピリチュアルな世界に迷い込むファンタジックムービー。

あらすじ

主人公(ロロ)は、自身が生まれる前に失踪した父を探しに沖縄のとある小島に向かった。その島は旧盆の三日間だけあの世の人達がこの世に蘇る不思議な島“みらく島“だった。旧盆の時期は島民以外立ち入ることが出来ない“みらく島“への船になんとか乗り込んだロロはそこで島の秘密と神女(ユタ)の定めを拒み、島と決別を覚悟した女性(ナツ)と出会う。二人は互いに抱える闇を、言葉も通じないながらもどこか心で繋がり通じ合っていった。二人は失踪したロロの父の真実を知るために立ちはだかる困難(ボーダー)を乗り越えて、旧盆の終わる三日目に、その秘密に出会うのだった。

Borderless Island

監督

岸本司
沖縄県名護市出身。短編映画の『ニービチの条件/Mother of the Groom』が SSFF&ASIA2012「旅ショーット!プロジェクト」部門優秀賞を受賞。短編映画の『こころ、おどる-Kerama Blue-』が SSFF&ASIA 2015ジャパン部門優秀賞を受賞。

スタッフ&キャスト

監督 岸本司
プロデューサー 井手裕一
脚本 岸本司、木田紀生
出演 李佳穎、朝井大智、中村映里子、城間やよい、洪綺陽、吉田妙子、尚玄、新垣正弘、ジョニー宜野湾、池間夏海、加藤雅也 ほか
スタッフ 辺土名直子(音楽)/真栄里英樹(音楽)/羅偉恩(撮影)/竹内公一(美術)/横澤匡広(録音)/兼城明盛、謝松銘(照明)/宮本まさ江(衣装)/長坂智樹(編集)/匂坂正宏(VFX)/松尾崇(助監督)

上映スケジュール 7/28 thu 19:30-23:59

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

覚えていません。単純に「好き」だったからだと思います。好きだから行動した。というだけだったと思います。

2.影響を受けた作品や監督は?

影響を受けた作品や監督は数えきれないので、10人で1作品ずつに絞ります。 小津「麦秋」/成瀬「乱れる」/溝口「近松物語」/ルノワール「南部の人」/フェリーニ「8 1/2」/エリセ「エル・スール」/スピルバーグ「レイダース」/マリック「天国の日々」/コーエン兄弟「ノー・カントリー」/ホークス「コンドル」/ベルドリッチ「暗殺の森」/ヴェンダース「アメリカの友人」/アウグスト「リスボンに誘われて」/カウリスマキ「ル・アーブルの靴磨き」/ライミ「死霊のはらわた2」 。思わず15人も書きました。お察しください。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

「お盆には死者が帰ってくる」と言われて育ちました。幼少の私は「大嘘だ、大人は嘘つきだ」と鼻水を垂らしながら否定したのですが、成長するとその言葉に「感謝と敬意」が含まれていることに気づきました。死後の世界や幽霊の類を否定するのも分かりますが、大人になったので確証のない事は「分からない」と言う他ありません。そして死者に思いを馳せるのは豊かな時間である事に気づきました。自分が考えた死者たちを映画にしたいと思ったのです。「大人は嘘つきだ」と鼻水を垂らして叫んだあの頃の自分には大変申し訳ないのですが、私は率先して嘘つきな大人となり、ファンタジーを創造しました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

楽しいことしか思い出せない性格ですので、葛藤や困難など他人の喜びそうな面白いエピソードがありません。きっと語るのも面倒な困難があったと思いますが、やはり語るのは面倒だし、思い出すことこそ困難なようです。しかし映画制作は、常にものづくりの厳しさと楽しさを同時に教えてくれると実感します。厳しさは寝たら忘れますので乗り越えたかどうかは分かりません。

5.本映画祭で上映が決定した心境は?

大変嬉しく思います。よく言われる言葉ですが、「映画は完成しても終わりではありません。映画は誰かが観ることによって、はじめて完成するのです」。まさにその通りだと思います。本作もひとりでも多くの方に観て欲しいと願っています。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

メッセージではないのですが…映画は好きなように観てください。そして気兼ねなく好きなように感想を言い合ったり、批評するのが楽しいし、大事なのかなと思います。観る者にはその権利があります。