小さな叔母さん

My Little Aunt

2022年/韓国語/韓国/28分/ジャパンプレミア

解説

「済州多様性映画製作支援」を受けて済州島を舞台に作った映画です。済州に伝わる「カムンジャン」の説話を盛り込みました。カムンジャンは主体的な女性の象徴で、済州独特の文化を表す物語です。カムンジャンは貧しい家の三女として生まれました。ある日、父は3人の娘を呼んで、親孝行の心を試す質問を投げかけます。「お前は誰のおかげで豊かに暮らしているのか」。2人の姉は「親のおかげで豊かに暮らしている」と答えますが、末娘のカムンジャンは「私の福のおかげで豊かに暮らしている」と答え、家から追い出されます。カムンジャンはその後、自ら配偶者を選択してお金を稼ぎ、幸せに暮らします。これは女性たちが自分の「体」と「人生」をより主体的に選択できるようにとの願いから作られた映画です。済州(チェジュ)映画祭連携作品。

あらすじ

家の悩みの種・叔母のジランと、その叔母を世の中で一番素敵だと思う12歳の姪ソヨンのジンジンする「胸」の成長物語。 新型コロナウイルス感染症とともに訪れた蒸し暑い夏。母ジスクが経営する食堂は客足が途絶え、叔母のジランは数カ月にわたり準備していた公演が中止となる。家族がそれぞれの悩みで忙しい中でも、ソヨンの胸は実を結んで成長する。

監督

アン・ソニュ
1987年、大邱生まれ。中央大学先端映像大学院で映画を学んでいる。2011年の短編「少し休んでいこうか」を含め3本の作品を演出した。

スタッフ&キャスト

監督 アン・ソニュ
プロデューサー/脚本 パク・ヒョンソク
出演 イ・イェウォン
オ・ジフ
イ・ヒョンソ
スタッフ パク・チョル(照明・撮影)
テヒアン(音楽)
イ・スヨン(美術)
チェ・ヒヨン(編集)

上映スケジュール 7/28 thu – 8/1 mon

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

良い映画を見ると、その中の物語が私の人生に近づいてくる感じを受けます。何気なく通り過ぎていく数多くの人が、映画の中の人物のように痛みと物語を持っていると感じられる時、少し温かい視線で他人を見つめられます。何かを好きになるということは、自然に体と心が動き、その世界を深く知りたくなることだと思います。映画という世界を知るプロセスを経験しています。

2.影響を受けた作品や監督は?

「私たちは皆、精神的な劇場で映画に出会う」というアグネス・ヴァルダ監督の言葉についてよく考えます。映画は目や耳だけでなく、精神的劇場から内部に入り、既存の記憶や感覚と入り混じって眠っている感情を呼び起こします。最近、OTTプラットフォームやYouTubeで数多くの映像コンテンツが手軽に消費されていますが、良い映画は必ず誰かの精神的劇場に出会うと思います。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

始まりは個人的な経験でしたが、叔母のジランのように好きなことを黙々と頑張っているにもかかわらず、社会や家族に認められない人々に、心強い友人となって応援するような物語を作りたかったのです。単に叔母と姪の関係ではなく、互いを応援して一緒に成長する関係を作ってみようと思いました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

ロケ地が島という点で、色々な困難がありました。現地スタッフを探すのが難しくほとんどのスタッフをソウルから連れていかなければならず、全般的に準備量が膨大になりました。済州島はソウルより梅雨が早く、天気も激しく変化しました。 4回目の撮影は予報がずっと雨だったので心配しながらスタートしました。撮影前日の豪雨で同時録音スタッフが乗った飛行機がソウルに引き返したこともありました。先に送っておいた小物や衣装がきちんと到着せず、スタッフが荷物を探し回ったこともありました。 紆余曲折がありましたが、スタッフの助けで無事に全撮影を終え、困難と引き換えに素敵な済州の風景を盛り込むことができました。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

長い歴史と物語をもつゆうばり国際ファンタスティック映画祭に参加できることになり、本当に嬉しく光栄に思います。現地で観客の皆さんに会って話ができないのが本当に残念です。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

第2次性徴を迎えたソヨンの目を通じて、叔母ジランと母親ジスクの「女性性」を見つめて問いを投げかける映画です。母親と娘、叔母と姪が一緒に見られますので、世代間に「女性の体」をテーマにしたコミュニケーションが生まれることを願います。