GLIDE

グライド

2020年/日本語/日本/72分

解説

第21回TAMA NEW WAVEコンペティション部門ベスト女優賞受賞作品。
バイト、たばこ、350㎜缶。母からの電話、観葉植物、スケートボード。兄妹の生活は安定してそこにあった。「私たち、このまま二人で生きていけるよね」「うん」「遥は本当にそれでいいの?」二人の日常は次第にほつれ始める。

あらすじ

渋谷の街にひっそりと暮らす兄妹、遥と祐希。バイトや派遣の仕事をしながら二人だけでつつましく生活をしている。そんな中、二人は熱海旅行の計画を立てる。準備を進める兄・遥。しかし妹・祐希は次第に今の生活に疑問を持ちはじめる。

映画祭参加経歴/表彰

第21回TAMA NEW WAVEコンペティション部門

監督


鈴木トウサ
1998年生まれ、東京都出身。慶応義塾大学環境情報学部4年生。映画美学校フィクションコース22期高等科修了。これまでに8本の短編映画を監督。本作が初の長編作品。

スタッフ&キャスト

監督 鈴木トウサ
脚本 鈴木トウサ、中田森也
出演 続麻玄通、つかさ、石山優太、奏衛、青柳美希
スタッフ Sebastian(照明)
内田和宏(撮影・音楽)
馬原洋行(録音)
三村一馬(録音・整音)
稲生遼(助監督)
芝愛弥葉(制作)

上映スケジュール 9/16-9/20

9/16(木)00:00〈9/15(水)24:00〉より配信スタート!880円で72時間観放題!ご購入(課金開始)いただけるのは9/18(土)23:59までとなっています。Huluの作品と合わせて“計画的”にお楽しみください。
※ご視聴にはプラットフォームVimeoへの登録とお支払いが必要です。

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

よく覚えていませんが、高校生の時にゲオルギー・シェンゲラーヤの『放浪の画家ピロスマニ』を観て、感銘を受けたことが影響しているような気がします。ある時気がついたら映画美学校に入っていて、監督を志すようになっていました。

2.影響を受けた作品や監督は?

最初のモチベーションはやはりシェンゲラーヤだったように思いますが、その後色々な作品や人に影響を受けました。初めは映画のテクスチャばかり見ていて、アピチャッポンやペドロ・コスタなど、テクスチャに優れた監督に刺激を受けていたように思います。しかし最近はテクスチャよりもドラマの方が重要であると…どう語るかより何を語るか…思うようになり、増村やトニー・スコットに心惹かれます。増村なら『暖流』が好きです。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

2019年の夏頃、仲のいい先輩の長編映画の助監督をやっていたときに、ちょうどそこで制作をやっていた中田くん(共同脚本)に「長編をやろう」と持ちかけました。同期の団塚唯我が映画祭などで評価され出したという焦りもあったかも知れません。それで、二人でシナリオ開発を進めました。ちょうどその頃、侯孝賢の『珈琲時光』を見ていて、「これなら俺でも撮れるな」と生意気にも思いました。そこで、この映画のテクスチャが決定されたように思います。そんなこんなで、渋谷の街を、侯孝賢のようなテクスチャで描こうと決めました。男女(今回は兄妹ですが)の破局というストーリーラインは僕が無意識に好んでやっているものです。最近、そのことについて彼女に怒られました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

まず、学生身分にスタッフキャストのギャラを払うお金はない。そのことにプリプロ段階でとても胸を痛めました。これは今でもすごく嫌な気持ちになります。僕は自分の身分に甘えたのです。次回作の準備もやんわりと進めていますが、次回作は絶対に、一人の人間の労働に支払われるべき金銭的な対価を支払うと決めています。そうでなければ自主映画は、いや商業映画もそうかもしれませんが、決して持続可能な産業にはなりません。「どう乗り越えたか」と問われれば、未だ僕は何も乗り越えてはいません。

5.本映画祭への応募動機と選外と知らされた時の心境、その後ゆうばりホープ選出の葛藤は?

選外はもらい慣れていたので、特になんとも思いませんでした。選出のメールをいただいたときは嬉しかったです。全く葛藤はありませんでした。即答で「OK」です。

※ゆうばりホープは惜しくも選外となった中から将来性が光る若手監督の作品を紹介する新カテゴリーです。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

東京で生きるというのはどういうことなのか、家族とは、男女とは…。本作を通して僕が考えたことを、少しでも皆さんと一緒に考えることができれば幸いです。