LとR

L and R

2022年/日本語/日本/16分

解説

極めて実験的、映像主義映画。2022年初頭の時期に何の前触れもなく現れた、特異な専門学生たちによる一つの短編映画『LとR』。その映画に明確的なドラマはなく、全編、内に秘めた表現で、暗示的に“何か”が語られ、観る者の脳に衝撃的かつ刺激的な印象を与える描写の羅列と、無限大に蔓延する“見方”に溢れた、映画的アートの美学。映画を心の奥底から愛し、映画に完璧に魂を捧げた森茂駿太という男が創造した唯一無二の“映画作品”が、今、その全貌を現すー

あらすじ

「俺だ。俺は今死んだ」ーーー一人の刑事のような男が無線でそう連絡を残し、部屋を後にする。そこから物語は幕を開け、暗い部屋で自身の殻に閉じこもっている孤独な青年が、自分自身に対してや世の中に対して抱いている不満感やネガティブな感情・思想を紛らわすために、頭の中に妖精のような美しき女性を思い描き、ひたすら彼女のイメージに依存していく。だがそれと同時に、彼の脳内に潜むネガティブなイメージは段々と膨れ上がっていき、次第に理性や心を狂わせられていった青年は、あらゆる“音”から逃れようと自らの両耳を刺し始める・・・。

監督

森茂駿太
2001年05月17日愛知県江南市生まれ
2020年に専門学校名古屋ビジュアルアーツ映像学科/映画専攻/映画作家コースに入学し、在学中に本作の助監督兼製作を務める川口淳也監督が製作した『SMASHED!』(2020)や『フィクション』(2022)で助演を果たし、また『人間』(2021)では主演を務めた。また他にも、自身を題材にした原陽大監督の『モリメンタリー』(2021)や、水野翔斗監督の『the FAKE FILM』(2022)でその個性を活かしたクセのある役を好演。(原陽大監督、水野翔斗監督の二人も本作では助演を務めている)。そして本作で念願だった自身のオリジナル映画作品を初監督した。

スタッフ&キャスト

監督/脚本 森茂駿太
プロデューサー 一見正隆
出演 黒木槙仁、市岡春果、水野翔斗、種村亮馬、原陽大、川口淳也
スタッフ 川口淳也(製作・助監督・照明・美術)/原剛史(撮影)/黒木槙仁(撮影・照明)/藤原光希(撮影)/原陽大(照明・音声)/今泉涼吉(照明)/下里友祐(音声・編集)/森茂駿太(編集・美術)

上映スケジュール 7/28 thu – 8/1 mon

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

単純に「映画が大好き」なのと、自分が観た映画から受けてきた影響と感動を「自分オリジナルの映画」に込めて、自分と同じ映画が大好きな方に自分が映画作品から受けてきた様々な歓びを与えたいと思ったからです。

2.影響を受けた作品や監督は?

私が特に中でも強大な影響を受けた監督さんを特筆していくと、まず、クエンティン・タランティーノ監督で、ただでさえ、その作品群の無限大級のパワーに多大な影響を受けてきたのですが、特に監督9作目の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はもうそのレベルをも超越してしまう桁違いな作品で、人生観や価値観など、私のあらゆる人生の全てを無限に変えてくれた永久不動のナンバーワンです。そして二人目は、スタンリー・キューブリック監督で、キューブリック監督との出会いは ’71年製作の『時計じかけのオレンジ』だったのですが、もうキューブリック監督の作品群においても、自分の映画史上においても、一切文句無しの最高のマスターピースです。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

簡単に言うと、「 “自分(森茂 駿太)” を見せつけるため」ということと、「自分オリジナルの、挑発的で挑戦的かつ、極めて実験的な映画を生み出し、観てくださる人に唯一無二の衝撃を与えるため」ですね。そして影響を受けた監督や作品の項目でも挙げたタランティーノ監督やキューブリック監督からのインスピレーションは勿論ですが、特に中でも直接的にインスピレーションを受けたのはギャスパー・ノエ監督とジャン=リュック・ゴダール監督です。世界観と長回しの美学、映画的芸術表現と映画文学タッチの応酬を本作でも特に意識しました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

本作で経験した困難は、スタッフ間のコミュニケーションかなと思います。元々、人とのコミュニケーションは得意ではなかったというのもあり、監督なので、自分の考えや意見を伝えていくべきだと思うのですが、変に気を遣っってしまい、思うような判断ができず結果的にNGカットばかりになって、そのシーンを別日に全て撮り直しになったりしましたが、本作で制作と助監督などあらゆることを担当してくれた川口 淳也さんからアドバイスをいただきながら、再度、そのシーンに追加で別カットを新たに取り入れたり、有意義にブランク期間を過ごして、結果、自分が思う以上の素晴らしいシーンを撮ることができました。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭さんへの応募動機は、過去の上映・受賞作品が独創的でマニアックな作品が多数あったというのが理由で、選出された心境に関しては、正直、ノミネートとかではないということで、イメージがつけづらい部分はあるのですが、一応、“ゆうばりホープ” は非常に名誉のある部門だということで、頂けたことを真摯に受け止め、これからの作品づくりに生かしていきます。ありがとうございます。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

とにかく『LとR』という作品を観てください!
そしてその作品を観た上で、何かを思ってください!
よろしくお願いいたします!