2019年 / 日本語 / 90分
解説
突然変異したツブ貝を食べた者は、今は亡き愛した人の幻覚を見る。その幻覚は生々しく、一度それを見たものはまた会いたいという思いに囚われてツブ貝の毒を進んで摂取する。そして幻覚は発症者を支配して海へと連れていき一緒に没してしまう。来栖慶一郎も幻覚の妻に呪縛されたが、彼は幻覚に妻の魂を宿す方法に気づく。それは終戦間際のドイツで行われた実験と、世界的巨匠が指揮したベートーベン第九の演奏が関係していた。
映画祭参加経歴/表彰
イスタンブール・フィルム・アウォード JUNE 2020(トルコ)、ヴェガス・ムービー・アウォード JULY 2020(アメリカ)、マンハッタンヘンジ・フィルム・フェスティバル 2020(アメリカ)
プログラムディレクター 塩田時敏コメント
ナチスの実験が北海道の巻貝に異変を起こした、とあっちゃ夕張も黙っていられまい(笑)。一瞬と永遠の狭間の様々な意識、それが映画。フルトヴェングラーに助けられた部分(選曲も大事)もあるが、冒頭と終りの北海道の海が全てを包み込む。“トゥルパ”とは何!? 官房長官が首相に横滑る今の日本で、意外に奥の深い作品か。古本恭一熱演。観終えてつぶ貝を食べたくなれば、それで良し。
監督
齋藤 新
Shin Saito
山形大学で8mmフィルムの映画を製作。就職後、長野県で01年地元の劇団員らとの映画製作。14年に活動拠点を首都圏に。「その悩み何バイト?」(’05)、「猫とり名人」(’06)、「Soulmate」(’08)、「せば・す・ちゃん」(’10)、「罪と罰と自由」(’12)、「チクタクレス」(’13)、「唯一、すべて」(’16)が国内の映画祭で上映。
スタッフ&キャスト
監督/脚本 | 齋藤新 |
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撮影 | 齋藤さやか | 音楽 | 横内究 |
出演 | 古本恭一、きむらまさみ、神戸カナ、山城まこと |
©2020巻貝たちの歓喜