マニアック・ドライバー

2021年/日本語/日本/75分/ワールドプレミア

解説

美しき獲物を求め、東京の街をさまよう狂気のタクシー・ドライバーが引き起こす、悪夢のような惨劇!世界のジャンル・ムービーファンから注目されている光武蔵人の最新作はジャーロ―マリオ・バーヴァ、ダリオ・アルジェント、ルチオ・フルチといった監督たちの諸作で知られる、独自の様式美に彩られた血と暴力とエロスの物語である。60~70年代に人気を誇ったジャーロは、近年ヨーロッパを中心に復活の兆しを見せている。光武はこうした映画界のトレンドに反応し、過去の名作へのオマージュを捧げつつ、LA在住の日本人映画監督というユニークな視点を活かしたメッセージと美意識を盛り込み、“ジャパニーズ・ネオ・ジャーロ”なる、新たな恐怖を提示して見せた。

あらすじ

「この女、俺と、死んでもらう」。黒のプレジデント・ソブリン、車体と同じ色のドライビング・グローブを嵌めたフジナガは、降車して去っていく女性客の後ろ姿を、じっと見つめていた。忌まわしい出来事によって絶望の淵に落とされ狂気にとりつかれた、このタクシー・ドライバーの唯一の望みは、最高の生贄と呼ぶにふさわしい女を殺し、自分もこの世界から消えてしまうことだった。そんなある夜、フジナガはとうとう“生贄”を発見する。密かに彼女をつけ回し、住所を突き止めたフジナガ。狂気の計画はついに実行の時を向かえる―かに思われたが…。

監督


光武蔵人
東京都出身。米ロサンゼルス在住。日本映画監督協会、日本シナリオ作家協会、米国映画俳優協会会員。主な監督作品「サムライ・アベンジャー/復讐剣盲狼」(09)、「女体銃/ガン・ウーマン」(14)(ゆうばり映画祭2014審査員特別賞受賞)、「カラテ・キル/KARETE KILL」(16)

スタッフ&キャスト

監督/脚本 光武蔵人
プロデューサー 明里マミ(製作総指揮・プロデューサー)、福田真理雄(製作)、安藤光造(Coプロデューサー)
出演 木村知貴、古川いおり、卯水咲流、きみと歩実、園部貴一、近藤善揮、木村圭作、佐山愛、川瀬陽太(特別出演)
スタッフ はやしまこと(撮影)
ジョン・ミグダル(編集)
浜本修次、小島光夫(照明)
川口泰広(音楽)
丸池嘉人(録音)
寺尾淳(美術)
山中心平(カラーグレーディング&VFX)
清水咲子、山本宜宏(エフェクト&アニメーション)
岩波昌志(サウンドデザイン&整音)
齊藤安津菜(衣装)
井高麻理(ヘアメイク)
土肥良成(特殊メイク)
タイナカジュンペイ(スチール)

上映スケジュール 9/16-9/20

9/16(木)00:00〈9/15(水)24:00〉より配信スタート!880円で72時間観放題!ご購入(課金開始)いただけるのは9/18(土)23:59までとなっています。Huluの作品と合わせて“計画的”にお楽しみください。
※ご視聴にはプラットフォームVimeoへの登録とお支払いが必要です。

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

幼い頃からストーリーテラーになるのが夢でした。最初は漫画家を志しましたが、スピルバーグの「激突」に感化され映画を選びました。ひとコマひとコマ、画を描くよりもカメラで俳優を撮る方が楽だと思ってしまったんですね。小学4年生だったのでバカでした。今でも変わらずバカですが。

2.影響を受けた作品や監督は?

サム・ペキンパー監督「ガルシアの首」、岡本喜八監督「殺人狂時代」、池田敏春監督「人魚伝説」

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

2010年代に世界の映画祭を回ったら、イタリアのサスペンス・ホラーのジャンルである「ジャーロ」の影響を色濃く受けた作品をチラホラ見かけるようになりました。以来、次は「ジャーロ」がリバイバルする!と言っていて、自分自身この波に乗らなければと思っていました。結局リバイバルの火付け役になるはずだったリメイク版「サスペリア」が最悪の出来で火消しされてしまったんですが、それでも自分のジャーロ愛をカタチにしたく、今回の企画に挑みました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

企画の出発は、ピンク映画を撮りませんか?というお誘いを某製作会社さんからいただいたことでした。ホラーを撮ってもいいのであればお受けしますということで始動したのですが、撮入寸前に「監督の主義主張は入れないでください」と会社側に言われ、それではピンクをやる意味がないと決別することになってしまいました。あわや製作中止かとなったところ、プロデューサーの明里マミが自腹で製作費を出してくれてこの作品を完成させることができました。彼女の映画にかける熱い想いにとにかく感謝です。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

第24回ゆうばり映画祭で審査員特別賞をいただき、第27回では審査員をやらせていただき、自分はゆうばり映画祭に育てられたと自負しています。それは、元東京事務局長の故外川康弘さんからいただいた御恩でもありました。今作「マニアック・ドライバー」は、ご家族のご快諾をいただいてエンド・クレジットに外川さんへの追悼を載せました。このような作品ですので、ぜひゆうばり映画祭でお披露目ができたらと思っていました。それが実現できてとても嬉しいです。外川さん、本当にありがとうございました!

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

ジャーロの巨匠ダリオ・アルジェントは、自身の作品を悪夢の映画化と表現しています。僕も「マニアック・ドライバー」は、悪夢の映画化として挑みました。激動の21世紀初頭を生きる我々にとって、本当の悪夢とは何なのでしょうか?そんなことをエロティックな残酷ショーを楽しんでいただいた後にちょっとだけ考えていただけたら本望です。悪が悪としてみなされない時代の狂気を感じてください。