MY WORLD

2021年/日本語/日本/63分/ワールドプレミア

あらすじ

人の気配がまったくない街。その街の片隅の公園で目覚めた男は、過去の記憶をすべて失っていた。

監督


Murantin.
俳優として舞台を中心に活動後、2010年、劇団3.14chを設立。これまでに東京都内において、10作品を上演。全作品の脚本・演出を担当。2021年3月、初監督映画「MY WORLD」が完成。

スタッフ&キャスト

監督/脚本 Murantin.
出演 石塚義髙、舟橋由圭、秋澤弥里
スタッフ 横山公亮(撮影)
石倉久幸(音楽)

上映スケジュール 9/16-9/20

プログラミング・ディレクター塩田時敏コメント

プリミティブながらも極めて難解な、というより不可解なるワールドだ。その世界の奥底に蠢くのは、性と死。見え隠れするのは、罪と業。観客におもねる事のないアートであり、深い哲学を湛えながら、しかし愛すべき助平さ!?が決して嫌いになれない(笑)のは、確かな身体性に裏打ちされているからだ。ムランティンという監督名さえ妙な映画だが、あなたは、光に横たわる裸体に何を見る。

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

数年前に、知り合いの自主映画を作っている監督から「短編映画の脚本を書いてほしい」という依頼があり、撮影にも同行させて貰いました。ロケ地からの帰り道、カメラマンのかたと帰る方角が一緒だったので、途中まで車で送ってもらいました。どういう会話の流れでそうなったのか、よく覚えてないですが「長編映画を撮りたいので、ぜひ撮影をお願いしたい」と頼んでいました。

2.影響を受けた作品や監督は?

影響を受けたかどうかは客観的に判断できないので、これまでに何度も繰り返して観てる映画を挙げます。
デヴィッド・リンチ「ブルー・ベルベット」「マルホランド・ドライブ」「ロスト・ハイウェイ」「インランド・エンパイア」
スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」「アイズ・ワイド・シャット」
フランシス・フォード・コッポラ「地獄の黙示録」
フェデリコ・フェリー二「8 1/2」
クエンティン・タランティーノ「パルプ・フィクション」
ピーター・グリーナウェイ「コックと泥棒、その妻と愛人」
ルイス・ブニュエル「自由の幻想」「ブルジョアジーの秘かな愉しみ」
リュック・ベッソン「レオン」
ジャン・リュック・ゴダール「勝手にしやがれ」
黒澤明「羅生門」
深作欣二「蒲田行進曲」
宮崎駿「千と千尋の神隠し」
あ、文字数限界…

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

動機は「とにかく長編映画を作りたい」です。インスピレーションは、なんですかね。お金がないので、まず、お金のかからなさそうな撮影場所を考えました。公園、路上、家、図書館。出演者が多いと交通費や弁当代だけでも結構かかるので、出演者は3人としました。その制約をまず決めて、そこからストーリーを考えました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

神の試練なのでは?と思うほど、ありとあらゆる困難が、次々と訪れました。撮影後、完成まで3年半かかりました。途中、心が折れた事は何度もありました。折れたのは心だけではなく、交通事故に逢い全治2ヶ月の骨折もしました。心も骨も、折れてしまった時は何もせず、ただじっとして動かず、回復を待つしかありません。いちばん大変だったのは音のノイズ処理でした。外注する予算がなかったので、音楽の石倉君に全面協力してもらい、彼の家に1年半以上に渡り、足繁く通い、作業をしました。途中、「どう足掻いても除去できないノイズが結構ある」という結論に達し、思い切って気に入らない箇所は全てカットし、残ったカットでストーリーの再構築をする事にしました。結果的には、全体的にシャープになり逆に良かったと思います。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

初めから、この映画は、ゆうばりが大本命と決めてました。撮影したのが2017年9月だったのですが、その時は、ゆうばりは冬開催で、締め切りが10月末だったと思います。「3週間で編集して、ゆうばりに出品する」と豪語していました。結果、3年半かかりました。映画祭とか、全く当時は詳しくなかったのですが「ゆうばりを狙う」と当時からなぜだか決めてました。不思議です。なので、選出の連絡が来た時は、夢かと思いました。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

仮説ですが、宇宙で起こっている事は全て「エネルギーの移動」です。謎のエネルギー爆発による宇宙誕生以後、エネルギーはあらゆる形で常に移動し続け銀河を縦横無尽に駆け巡っています。人間世界においては「想い」が強いエネルギーを有してます。そもそも、生きる=他の生物を食べる、という行為が強烈なエネルギーの移動です。独占欲、嫉妬、憎悪、破壊、創造、セックス、殺人。全て強いエネルギーの移動です。映画を作る、観る、という行為も強めのエネルギーの移動です。移動の過程で悪いエネルギーが良いエネルギーに昇華される事もあると思います。芸術作品の多くが犯罪や罪を扱っているのはそんな理由だと思います。すいません酒飲みながらこれ書いてます。映画を観ていただいた皆様の明日が、少しでも明るくなれば、幸いです。