令和対俺

2021年/日本語/日本/68分/ワールドプレミア

解説

全身全霊で「芸人」であろうとする男が令和という時代と対峙し、やがて破滅していく様を描きました。1.43:1のIMAX70mmフィルム上映の縦横比、通常の映画の3倍の情報量の60FPS映像(ゆうばりファンタ版は30FPS)の臨場感を通じて、「芸」に憑りつかれたひとりの男の人生を追体験して頂けますと幸いです。

あらすじ

素行の悪さ、下劣な芸風で周囲に煙たがられ、一向に漫才師として売れる気配のない塚口敏夫は、相方の国松博之と共に小劇場で漫才をする日々を過ごしていた。ある日、そんな二人にテレビ出演のオファーが舞い込む。しかし恋人との間にある大きな問題を抱えていた塚口は、現実と妄想が交錯する中で、やがて漫才師として取り返しのつかない事態へと巻き込まれていくのだった。

監督


大久保健也
1995年生まれ、大阪府育ち。中学校時代に『アバター』を観て衝撃を受け、映画監督を志す。近畿大学文芸学部中退後、フリーランスの映像作家としてインディーズアイドルのミュージックビデオ等を手がける傍ら、ジャンルを問わず自主映画の制作を続ける。2020年、初の長編監督作『Cosmetic DNA』が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて北海道知事賞を受賞、2021年9月~新宿K’s cinema他 全国順次公開予定。現在は3D映画を撮ることが目下の目標。

スタッフ&キャスト

監督 大久保健也
/プロデューサー/脚本 大久保健也、西面辰孝
出演 西面辰孝、クレゴン太、こんじゅり
スタッフ 大久保健也(照明)
大久保健也(撮影)
奥野寛大、一村龍佑(録音)

上映スケジュール 9/16-9/20

プログラミング・ディレクター塩田時敏コメント

昨年度北海道知事賞受賞「Cosmetic DNA」の監督再見参。がらり作風も変わった芸道の世界。が、実はこうした芸人ものを題材とした作品の応募は多い。しかも、笑っていいのか微妙な漫才シーンが長い。と思いきや、画面は一転リアルなドツキ漫才、ゴア漫才へと突入する。映像表現に裏打ちされた、秘めたる怒りのポテンシャル。やはりこの作り手は何かを持っているようだ。

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

小学生の頃から休み時間はひたすら絵を描き、漫画を描き、小説を書いていました。先生にちょっとだけ心配されていました。将来は漠然とクリエイティブなことを仕事にしたいなあと思っていた中学生の頃に映画と出逢い、当時所属していた科学クラブで動画撮影機能付きのデジカメを借り、友達を巻き込んで映画を撮り始めました。何らかの創作物に感動するとすぐ自分も試しに作りたくなってしまうのは昔も今も変わりません。

2.影響を受けた作品や監督は?

ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』と中島哲也監督の『告白』の2本は、当時映画館で観ていなければ今頃映画を撮っていなかったかもしれません。小学生の頃から大好きなティム・バートン監督、超リスペクトのダーレン・アロノフスキー監督、ロバート・ゼメキス監督。愛おしすぎるフィル・ロード&クリス・ミラー監督コンビ。憧れの三池崇史監督、吉田恵輔監督。
多感な時期にVFXゴリゴリのハリウッド3D超大作を映画館でたくさん浴びたので、どんなタイプの映画を作る時も根底がそこにあるのかもしれません。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

数年前から存在していた企画だったんですが、演出スタイルを自分の中で固めることができずにいました。そんな時に東映実録ヤクザ映画にハマり、あらためて企画と向き合った時、物語のベストな切り取り方が少しだけ見えた気がして制作を始めました。そして撮影準備中に109シネマズ 大阪エキスポシティで1.43:1アスペクト比のIMAX上映版『インターステラー』を観て滝のように涙を流し、もう東映実録ヤクザ映画の真似事なんか辞めようと。撮影直前は『グレムリン2 新・種・誕・生』を観ていました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

しつこくロケハンしてもイメージ通りの部屋が見つからなかったので、空き部屋を借りてセットを組みました。西面辰孝(塚口敏夫役)と大阪中のセカンドストリートとハードオフを巡って小道具、家具を買い漁り、レンタカーで運びました。劇中の漫才のシーンは限りなく本格的(売れてない芸人という設定だから面白くなくてもいい、みたいな甘えなしで)なものを目指し、西面とクレゴン太(国松博之役)は約2ヶ月間、ひたすら川辺で朝から晩まで漫才の練習をしていました。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

『Cosmetic DNA』が昨年のゆうばりファンタで北海道知事賞を頂き、劇場公開も決まった(10月9日~新宿K’s cinema 他 全国順次公開!)ので感謝しかありません。昨年は審査員長の清水崇監督から「もう少し音楽とダイジェスト編集に頼らず、展開の構成を凝縮した次回作を期待しています」と言われました。音楽とダイジェスト編集に頼らない
、展開の構成を凝縮した新作『令和対俺』で今年もゆうばりファンタに参加できること、光栄に思います!

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

人間を2種に分けるとするなら「善人 or 悪人」ではなく「生きてる時代に適応できた人 or できなかった人」だと思います。一緒に時代と戦おう!!