スイソウ

Aquarium

2021年/サイレント(日本語)/日本/3分

解説

最初はネット。そのうちテレビや広告にも出るようになった。それは終わらない映画みたいだった。ありとあらゆる日常が“こんな時”に支配されていく。そして、“こんな時”は日常生活になってしまった。

あらすじ

すっかり変わってしまった今日この頃。仕方なく部屋に引き籠っている。開きっぱなしのPCからは嫌な情報が流れ続ける。氷った時間の中で、目を閉じる。不安に駆られながらも、僕はシーラカンスの夢を見る。

監督

武田椿
東京造形大学、絵画選考領域を卒業。卒業制作の「スイソウ」はショートショートフィルムフェスティバル2021入選。第13回下北沢映画祭では準グランプリを獲得。ブルーアートオーディションでグランプリを獲得しブルーピリオド展にて展示。他多数受賞歴あり。

スタッフ&キャスト

監督/脚本 武田椿
出演 笠羽流雨
スタッフ 武田椿(アニメーション制作)/武田椿・笠羽流雨(撮影)/武田椿(音楽)

上映スケジュール 7/28 thu – 8/1 mon

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

来年はとりあえず、大きな絵を描こう。浅草の展示をやったら友達とも展示して。そんな抱負がありました。1月になり、その年になって、大学のアトリエは閉鎖しました。展示も延期、という名の中止。外出制限がかかり、今までの人間関係はオンラインで完結。買い物に行っても行き交う人の表情さえマスクで見えない。ただネットをひたすら追い続ける以外、世界との関わりの無い毎日でした。そのネットも答えを探す人達が、白か黒かを書き殴った文章を、その電子画面をただぼんやりと、風景のように眺め続けているだけの味気のないものでした。私は代わりにアニメーションを作ることにしました。

2.影響を受けた作品や監督は?

アニメ「妄想代理人」
映画「パンズ・ラビリンス」
映画「クラウドアトラス」

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

溢れきった言葉は、簡単に一つに括られてしまうものです。言葉は私達の思考を助けてくれる、太古からの大きな発明である一方で、思い込みをも助長させもします。理解した、と、安直に考え次の行動に駆り立てられ。その工程に慣れていけば今度は、理解出来ない、と、大切な事をもすぐに切り捨てるように。言葉一つ一つを定義する概念の隙間は忘れられてしまう。しかしそれを粘り強く想像力で埋めていけば、そこには一つの豊かな世界が出来ると信じています。言葉で定義しきれない部分に私は希望を求めています。シーラカンスはその隙間を背負ってくれた存在です。
こういった思いがあってスイソウを制作しました。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

ほぼ独学で、困ったときに教えてくれる人がいなかったので、常々どう表現すればいいかを一人で考えました。特にこのアニメーションは背景は写真、アニメーションは手で書いた絵でした。この二つを合わせたときに違和感が生まれないように様々な工夫をしました。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

連絡を受けたときはとても驚きました。有名な賞に選んで頂き光栄です。
何かを作ることが私の生きがいです。今後もいい作品を発表し続けたいと思います。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

100人いて、1人に強く刺さればいいと思って制作したアニメーションです。なんだこれ?と思う方もいるかもしれません。深読みしすぎず、まずは気楽に見てもらえればと思います。