ただの夏の日の話

Just Another Summer Day

2021年/日本語/日本/25分

解説

短編映画『ただの夏の日の話』は、深川麻衣さんと古舘寛治さんを主演に迎え、見知らぬ人と見知らぬ場所で過ごした、“ただの”夏の日の話を描いた作品。きりゅう映画祭当日に初お披露目された本作は、1回きりの上映だったにも関わらず、述べ3,000人を超える人々に視聴して頂きました。主題歌の『海月の散歩道』は注目の4人組ロックバンドThe Songbardsが書き下ろし制作。公開前からYahoo!Japanを含む多くのサイトで取り上げられ、Filmarks評価4.1と高い点数をマークしました。

あらすじ

まだ昨晩のアルコールが抜け切らない重い身体をゆっくりと起こしたとき、彼女の記憶はどこにも結びつかなかった。ただわかったこと、それは窓の外に見える景色がたぶん東京ではないこと。部屋の中に見知らぬ男性が寝ていること。さらに言うと、”おじさん”な気がするということ。酒に呑まれ記憶を無くし、陽月はなぜか「桐生」に来てしまっていた。どこのだれかも知らない”おじさん”と。そんな、見知らぬ場所で見知らぬ人と過ごした、“ただの”夏の日の話。

監督

松岡芳佳
1994大阪生まれ2016博報堂プロダクツ入社CMディレクターとしてCM、ドラマ、映画、雑誌のディレクションまで幅広く手がける。キャラクター性の出たリアルな会話描写の中にちょっとした違和感を演出することを得意としている。本作映画初監督にして数々の賞を受賞。
【受賞歴】
2019 BOVA協賛企業賞
2019 JACAWARD永井聡賞
2021 YOUNG LIONS Film部門 シルバー受賞
2021 脚本/ 監督 「ただの夏の日の話」きりゅう映画祭選出作品

スタッフ&キャスト

監督/脚本 松岡芳佳
プロデューサー 村地洋祐
出演 深川麻衣、古舘寛治
スタッフ 岡村良憲(撮影)/高倉進(照明)/松下洋平(助監督)/一宮理紗(スタイリスト)/戸野部美奈(編集)/馬込夏帆(VFX)/田中基(カラリスト)/斉藤ゆり惠(ミキサー)/徳澤青弦(音楽)/上山登生(制作)/浅田夏矢子(アートディレクター)/山村祐太郎(グラフィック撮影)/The Songbards(主題歌)

上映スケジュール GP受賞により期間延長 -8/8 mon 23:59/h4>

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

普段はCM監督として働いているのですが、師匠でもある永井聡監督の映画「キャラクター」の現場を見させて頂いた時に、現場での自由度の高さ、判断の瞬発力、役者とスタッフの団結力など目の当たりにして、その面白さや奥深さに衝撃を受け、初めて「私も映画を撮ってみたい」と思いました。そのことを初めて人に話した次の日に、きりゅう映画祭からの作品募集の連絡が届き、やるしかないと少し運命のようなものを感じ脚本を書き始めました。

2.影響を受けた作品や監督は?

マイク・ミルズ監督の映画作品に影響を受けました。日常の、大して大きくもない、誰にでも起こり得るような出来事を描き、読後感がその人の状況によって全く違うのだろうなといつも感じます。結末を知っていたとしても何度でも観たくなる、そんな日常と少しの違和感を描いた作品がとても好きです。自分の監督した映画やCMも、そんな風に思ってもらいたいと考えながら作っています。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

伝えたい内容自体はずっと自分の根底にあるような考え方だったのですが、ストーリーは今回応募する時に新しく考え始めました。この業界で仕事をしていると、自分を含めて沢山の人が日々しく生きていたり、コロナウイルスなどの影響で、目標としている先や、待ち遠しい日を背伸びして見ている感覚がありました。この映画が、そんな人たちにとって今自分の足元にある、見逃してしまいそうな小さな幸せや奇跡に気付くきっかけになったり、少しの時間息を整える役割を果たせたらいいなと思っています。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

映画の中での設定が、リアルとアンリアルの間だったので、その部分の役者の2人の気持ちの持って行き方が難しいポイントでした。2人がなぜ目が覚めて一緒にいたのか、知らない場所にいたのか、前日の夜どこで何をしていたのか、細かく設定は決めていましたが、一切キャストには見せず撮影に挑むことで、リアルな初対面の2人の空気感を演出できたと思います。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

短編映画を制作することが決まった段階から目標でもあった映画祭だったので、選出が決まりまだ信じられないような心境です。本当にありがとうございます!

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

映画「ただの夏の日の話」を監督しました松岡芳佳です。忙しすぎる毎日だったり、コロナウイルスによって現状に対して不満を抱きやすい時期ですが、待ち遠しい先のことを背伸びして待っているだけではなく、今生きているこの時間、今この文章を読んでいただいている時間でさえ、奇跡の確率の上に成り立っている時間だと思います。ふと一息ついて、足元に落ちている小さな幸せを拾い上げられるきっかけになりますように。