太陽と踊らせて

Born Balearic

2020年/スペイン語/スペイン/71分

解説

「踊ってる時はみんな恋に落ちている・・・」自由の島イビサの吟遊詩人DJジョン・サ・トリンサ。ひとりひとりの人生を祝福するように今日も音を紡いでいく。いつもの時間いつもの場所で水平線を眺めながら。

あらすじ

スペインの東、地中海に浮かぶ世界遺産イビサ島は、世界一のパーティアイランド。夏場はヨーロッパの有名ナイトクラブが店を開け、世界中からスターDJが集まる。しかし、イギリスから移住したDJジョン・サ・トリンサは、島の最南端サリナスビーチで25年間、パーティサウンドとは異なる音楽を紡いでいる。それがジャンルレスで物語にあふれたバレアリック・ミュージック。あまりにも自由で垣根のない生き方をする彼の精神そのもの。映画は、そんな風のような伝説的おじさんDJの生きざまを、島に息づく多彩な、しかし時代の波の中で変容もする文化とともに、息をのむような映像とバレリアックな音楽にのせて描き出す。

監督

リリー・リナエ
台湾生まれ、歌舞伎町育ち。NY・ブルックリンに映像プロダクションを設立し世界各国で映像を制作。音楽ドキュメンタリー映画『太陽と踊らせて』(2020)はヨーロッパ・アメリカの映画祭計15カ所で正式上映、マドリードで最優秀撮影賞、メンフィスにて最優秀音響賞受賞。日本では全国32の劇場で上映。短編映画『慎みたまえ、口』はスペイン・ビルバオの映画祭にて奇抜作品に贈られるBizarro大賞受賞。他NHK『Switchインタビュー』、米国フジ『Hangout NYC』ディレクター。

スタッフ&キャスト

監督 リリー・リナエ
出演 ジョン・サ・トリンサ(DJ、主人公)、ケニス・バーガー(デンマーク音楽レーベル)、ベランジ(イラン出身の民族楽器サントゥール奏者)、クリス・ココ(ラジオチャンネル「メロディカ」を主宰するバレアリック・プロデユーサー・DJ)、ヒデヨ・ブラックムーン(日本から移住したDJ、作曲家)

上映スケジュール

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

ミシェル・ゴンドリー監督のMV、スター・ギターを見て、自分も映像の細部と音楽のビートを組み合わせたいと思った。

2.影響を受けた作品や監督は?

ぺドロ・アルモドバル監督の作品
ミシェル・ゴンドリー監督のMV、スターギター
2010年以前のケミカル・ブラザーズのMV全部
Ya MaMaというMV

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

主人公ジョンの存在は「ビーチでしかDJをしない、スペシャルな人物がいる。」と知人に教えられたことがきっかけです。 イビサの最南端にあるビーチ。灼熱の太陽がジリジリと肌を焦がす感覚を背 負いながら、砂浜に足を捕られつつ汗まみれで歩く15分。たどり着いたのは「サ・トリンサ」と書かれたレストラン。ヨガマット1枚引いたら窮屈な海小屋にいたのが、その後私の人生を 大きく変えたジョン。 その日から深夜のクラブDJではなく、燦燦と光が降り注ぐ浜辺でDJをする人物に、そしてバレアリック・ミュージックというものに、私は心を奪われました。人種、言語、外見を越え、あらゆる音楽をジャンルレスに 繋げるバレアリック・ミュージックを奏で続ける彼を映像に納めることが、私ができる唯一の表現方法でした。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

私は台湾に生まれ、台湾語を話す両親の元、日本で育つという少し珍しい環 境で育ちました。自分がどこに所属しているのか説明ができず、アイデンティ ティ・クライシスとまではいかないものの子供の頃からいつも周囲に何かの壁 を感じていました。さらに、中国・アメリカに住む経験を経て、いつもどこに でもある人種や言語、貧富の差、異なる価値観などの対立を前に、どうすれば 世界はあらゆる壁を越え、繋がっていけるのか漠然と考えるようになっていま した。 そんな盲目的に彷徨っていた20代、私は1日中DJをするちょっとシャイで笑 顔がチャーミングなおじさんに出会ってしまったのです。センス・オブ・ワンダーのスイッチがそこにあったのです。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

北海道が好きだから。尖った映画祭が好きだから。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

太陽の島の吟遊詩人、DJ Jon Sa Trinxaの自由で多様な音、そして人生を収めたドキュメンタリー映画『太陽と踊らせて』。コロナや経済的に閉塞感 漂う日本でも、この映画を観た人は音楽の力、そして彼のフリーマインドな精神でハッピーに。「もっと肩の力を抜いて、リラックス。」ジョンさ んが紡ぐ音楽の空間を体験すれば、きっと人生がとびきり素敵なものになる。