Waltz

Waltz

2022年/日本語/日本/24分

解説

―それはひとりで過ごすはずだった。僕の誕生日の話。日々感じるチクッと心臓が痛くなるようなリアルなシーンと、一生懸命生きるゆえに生み出されてしまった歪さを美しく表現するファンタジー作品です。

あらすじ

就職を機に上京してきたカナデは、リモートワークで誰とも話さない日々を過ごすうちに、言葉が出なくなってしまう。カナデの口から漏れるのは、意味をなさない異様な「音」だけだった。誕生日、自分用のケーキを買いに出かけたカナデは、大きなカブトムシが肩に付いた女性・ハナと出会う。カブトムシが気になって声をかけようとすると、カナデはハナに「音」を聞かれてしまう。一方、ハナも人には言えない秘密を抱えていて……どこにもない、でも誰にでも起こるかもしれない、少し不思議な物語。

監督

山本篤子
1990年・兵庫県生まれ 東京都在住 高校時代にはテレビドラマを製作しNHK杯全国放送高校コンテストで全国優勝果たす。早稲田大学にてミュージカルの企画・演出を行い、その後会社に属しながら創作活動を続け、ミュージカルやイベントを企画。現在は短編映画を中心に映画を制作し、脚本・監督を務める。登場人物の心理描写に加え、何気ない日常や景色の中に潜む心地良さや美しさを、映像に落とし込めないか日々試行錯誤しています。

スタッフ&キャスト

監督/脚本 山本篤子
出演 加藤颯、岩田レイ、田倉周、紫藤楽歩、優太、さっとん、名和実咲、kozumi 、岩崎香織、木下鈴菜、前田成穂、たてまいこ
スタッフ 佐々木大介(撮影)/音楽:Masaki .(音楽)/ninn(i 撮影協力場所)/和史 神楽坂(撮影協力場所)/Aki.C(ビジュアルデザイン)/熊倉彩乃(撮影協力)/寺本薫(撮影協力)/名和実咲(撮影協力)/加藤葉子(撮影協力)/岡本梨奈(撮影協力)/船越麻里(撮影協力)/端山理子(撮影協力)/塚越奈津希(撮影協力)/田辺友美(撮影協力)

上映スケジュール 7/28 thu – 8/1 mon

Director’s Voice

1.映画制作をはじめたきっかけは?

高校生の頃に、放送部に所属してテレビドラマを撮っていたことがきっかけで、いつか映画を撮りたいと思っていました。その後、舞台の演出や写真撮影などの活動を通して、撮りたい題材が明確化し、映画制作に踏み切りました。

2.影響を受けた作品や監督は?

好きな映画はたくさんありますが、直接的に影響を受けているのは、絵画や舞台作品、建築物などです。特に、スペインで見たガウディの建築物に触れた時の、機能性と美しさや、単純さと複雑さが両立するそのバランスに大変感銘を受けました。なので、自分の作品は、物語性と映像美、明快さと厚さの両立を目指しながら、製作していることが多いです。また、世界・日本各地に足を運ぶことも好きで、その旅先で見たふとした景色や、行き交う街の人々からも影響を受けています。

3.本作の制作動機、インスピレーションは何でしたか?

最初のきっかけは「最近誰ともしゃべらずに1日終わることあるよね」と友人と話したことです。リモートワークが定着してきて多くの人が抱えている悩みだなと思い、「声が出なくなる人の話」を描きたいと考えていました。そんな時、たまたま訪れた青森県立美術館のシャガールのバレエ「アレコ」の背景画を目の前にした時に感動しまして…作品の立った時の感情と「声が出なくなる人の話」がどことなくリンクして製作のイメージがわきました。結果的に、バレエ繋がりで、くるみ割り人形からもインスピレーションをえています。

4.本作ではどんな困難に直面し、それをどう乗り越えましたか?

カナデの「音」作りは初の挑戦でしたので苦労しました。ただの音でもダメ、楽器が想像できてもダメ、話しているようで奏でているような「音」を音楽家さんと探すため、映像を見ながらいろんな音を出して繰り返し試行錯誤しました。また「花」を使った演出にも尽力しました。フラワーアーティストさんと相談しながら、花の大きさや色・花言葉・咲き方まで考え抜き、時間をかけて製作しました。

5.本映画祭への応募動機と選出された心境は?

この作品を観た友人から、このゆうばり国際ファンタスティック映画祭にぴったりだと思うと推薦してもらったのがきっかけです。しかも複数人から。選出された時は飛び上がって喜びました。いろんな方に観ていただけるのがとてもうれしくて。推薦してくれた友人には頭が上がりません。

6.ご覧になる皆さんへメッセージを

風邪をひいたら咳がでる、紙で手を切ったらそこは傷になる。なのに、心が無理をしている時は何もないふりを続けなくていけない。風邪にはお薬を、切り傷には絆創膏を、頑張るあなたに何を贈れるだろう、そんな気持ちを込めて作品を製作しました。見終わった後、自分の悩みやコンプレックスが何に具現化されるだろうかと想像していただけたら、この作品の先が見えるかと思います。