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グランプリ&各賞が決定!

昨年に続きオンラインでの開催として9月16日(木)~20日(祝・月)に開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021 Powered by Hulu」。
最終日の9月20日(祝・月)にクロージングセレモニーが行われ、各賞の受賞者が発表されました。

ファンタスティックゆうばりコンペティション(長編部門)

グランプリ:『PARALLEL』(田中大貴 監督)

グランプリを受賞した田中監督は「この作品は本当に沢山の人の支えで製作することができました。予算の問題やコロナウイルスの問題で、今回は監督と脚本、撮影・編集・CG・美術などを一人で負担する部分が多く、次の作品作れるのか…と思っていましたが、次回作支援金ということでお金も頂きましたので、ぜひ次の作品を作りたいと思います。このような賞に選んでいただき、本当にありがとうございます!」と喜びのコメント。審査員長の⽮崎仁司監督は、「今回は5人の審査員の評が大
変割れましたが、最終的には『PARALLEL』が選ばれました」と混戦の中での受賞だったことを明かしました。

審査員特別賞:『愛ちゃん物語♡』(大野キャンディス真奈 監督)

大野監督は「審査員の皆様、観客の皆様ありがとうございます。」と喜びのコメント。司会の笠井氏から発想のもとについて聞かれると「家族について考える機会があり、そこから編成を考え脚本を書きました。」LGBTQのキャラクターを描いたことについては「LGBTQについては全く気にしていなかったです。話を進めていくうちに人物が自然と出てきました。」と率直なコメントを明かしました。

北海道知事賞:『12ヶ月のカイ』(亀山睦実 監督)

亀山監督は「結末は私一人で決めたわけではなく、メインキャストである中垣内彩加さん、工藤孝正さんと共に10か月間ほどお話を考えたり撮りながら長い時間をかけて作った作品です。コロナの自粛期間を挟んだこともあり、本当に完成できるのか、といろんな方から心配の声もありましたが、そういう期間があったから皆さんに刺さる作品になったのではないかと思います。」と喜びのコメント。

フィルミネーション賞(新設):『PARALLEL』(田中大貴 監督)

フィルミネーション賞とはフィルミネーション株式会社より、新映画監督の活躍を⽀援する『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』のファンタスティック・ゆうばり・コンペティションに賛同いただき本年度より新設された賞。グランプリとW受賞となった田中監督は「この映画は虐待を経験した主人公と殺人鬼の出会いと別れの物語です。静止に堪えない部分やショッキングなシーンもあったかと思いますが、人間の心にある暗いものを優しく傷つけられたらいいなと思い製作した作品です。日本ならではの作品を作りたかったので、こうして最初のフィルミネーション賞に選んでいただき光栄でした。ありがとうございました。」とコメント。

シネガーアワード:『令和対俺』(大久保健也 監督)

シネガーアワードとは南俊子賞(批評家賞)を受け継ぐもので、道内外の映画業界関係者によって選出される賞。本年度はSTVラジオパーソナリティ・工藤じゅんき氏、キネマ旬報編集部・川村夕祈子氏によって選出されました。大久保監督は「去年、『Cosmetic DNA』で北海道知事賞を受賞して2年連続でゆうばりファンタスティック映画祭にお呼びいただき、賞まで頂けるとは思っておらず、テンションがあがっております。去年、音楽と編集に頼るな、と言われたので今回はドラマの展開だけで作るという挑戦をしたのが『令和対俺』でした。評価いただきまして、ありがとうございました」とコメント。工藤じゅんき氏は「タイトルからも分かるように現代日本の常識や社会的規範に挑戦しているのでエスカレートするのは当然。エネルギーがコンプライアンスとコロナ渦という閉塞感を吹き飛ばすくらいの勢いでした。」と評価しました。

最後に審査員長の⽮崎仁司監督より、「映画は革命の歴史だと思いますが、まさに今自分が革命に立ち会っていると思い、色んな映画を観させていただきました。今回審査員を担当して60本以上の映画を観ましたが、本当に出会えてよかったと思う映画、刺激を受けた映画があり、楽しい時間を過ごせました。全体の印象としては、皆さんアイデアはすごく面白いけれども、それを映画にするときに、ストーリーに走って、物語を語る映画が多いと感じました。もちろんストーリーも大切ですが、映画の命は俳優の眼差しとか息遣いとか、ワンカットの光景みたいなものだと思っています。だから、もっと画で見せて欲しい、映像の可能性を追及してほしい、もっともっと自分自身の映像言語を探してほしいと思いました。この映画祭で写し取られた役者さんたちのことは忘れられないですし、出会えた映画たちや映画を作った皆さん、本当にありがとうございました。私も皆さんに負けないように早速明日から新作の準備を始めたいです。」と意欲を見せ、最後に「映画への愛とエネルギーを感じた映画祭でした」と【ファンタスティック・ゆうばり・コンペティション部門】を総評。映画の明るい未来を願いました。

京楽ピクチャーズ.プレゼンツ インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション

グランプリ:『おそとはキケン』(チョ・チャングン 監督)


チョ監督は「こんな大変な時期ですが映画祭が開かれて本当に良かったと思います。このような大きな映画祭で賞をもらえて本当に光栄です。コロナ渦で大変な時に撮影をしましたが、危険な状況でも協力して頂いたスタッフと俳優に心から感謝したいです」とコメント。審査員長の小中和哉監督は「コロナ渦で家から出られないという設定ですが、主人公が数年前から引きこもりで家から出ていない、というキャラクターがとても面白かったです。主人公の女性はとてもクリエイティブな人で、映画を作る我々にある意味とても似ている存在だと思いました。そして、コロナ渦で人と会えず引きこもりながらも、外へ出なければ…というメッセージを感じるとともに、ある意味映画で空想の世界を作り上げて満足している僕ら映画人への共感メッセージ、そこから出なきゃいけないのかな、という思いも感じる作品でした。」と評価しました。

優秀芸術賞:『Ad Lib』(ジョセフ・カテ 監督)

ジョセフ監督は「とても嬉しく思っています。初めて自分の受賞式に参加したので感慨深いです。作品のクオリティというのは言語によって左右されるものではないと思いますが、作品に費やした汗と涙が評価されてとても嬉しいです。」とコメント。審査員のキム・ジョンミン氏は「観客はメインキャラクターの一夜の出来事を短時間で追うことになりますが、その過程で数本の映画を観たような多様なスタイルを体験します。ジェットコースターに乗ったようなスタイルの変相のなかで、暴力に対する問題意識を見つける驚きを観客も一緒に感じてみてください。形式的にも概要的にもファンタスティックな作品に出会えてとても嬉しかったです。」と評価しました。

優秀芸術賞:『くっつき村』(長谷川千紗 監督)

長谷川監督は「ずっと俳優部で活動していたので、今回はじめて監督をやってみて、自分の頭の中にしかないものを人の目に見える状態にする、具現化するということは物凄いことだな、と思いました。本当に気が狂いそうでしたが、それと同時にこの世界で一番楽しいことなのではないかと今は思っています。支援金も頂いたので、次回も映画を作りたいです。」と喜びのコメント。審査員の竹葉リサ氏氏は「子どもの頃にみる摩訶不思議な夢のようで、悪夢のようでもあるけれど、一生記憶に残るような体験で、幻想文学とヒリヒリする女性の成長のクロスジャンルだと思いました。」と評価しました。

優秀芸術賞:『THE BELL』(恵水流生 監督)

恵水監督は地方ロケの移動車内からリモートで登場。「この作品はコロナ渦で大変になってしまったホテル業界を救おうという企画からはじまりました。すごく仲の良いオーナーさんのホテルで撮らせていただきました。渋谷・宮益坂の上に今でも現存するチャーミングなホテルなので、是非行ってみてください。」とコメント。審査員長の小中和哉監督は「16分の作品で11本の連作。前半がすごい速いテンポで進んでいくのに、後半じっくりしたテンポになっていき、まさかの時空を超えたファンタジーエピソードになっていく、その意外性が面白かったです。」と評価しました。

最後に、審査員長の小中和哉監督より「27作品それぞれ違う面白さがあって、すごく悩みました。3人の審査員もそれぞれ違う作品を挙げながらも共通性が高く、議論を重ねながら、グランプリで一致したのが『おそとはキケン』でした。どれも力のある作品でした。」と【京楽ピクチャーズ.プレゼンツ インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門】の総評を行いました。